ボードゲームとは

ボードゲームってそもそも何? -ざっくり解説-

あなたの人生の中で経験のありそうなポピュラーな物で例を挙げると、

「子供の頃にお正月に田舎に帰った時、人生ゲームや福笑いで遊んだ」
「学校で友達と○×ゲームをしたり、消しゴム飛ばしをした」
「親戚の子供に将棋やオセロの遊び相手をさせられている」

こんな日常のちょっとした遊びはみなさんも経験あるのではないでしょうか。ただ、上記の様な日常の中に溶け込んでいる遊びの中には、ルールが曖昧だったり、勝敗がそもそも付かない物も数多く存在します。

そういった曖昧な遊びの中で、ルールを参加者の間で明確に定義したものがゲームです。そしてゲームの中で、テーブルの上で行う遊びがボードゲームです。

ゲームであるためには、参加者の間で共有されたルールが成立していることが大事なのです。例えば鬼ごっこは鬼役の人が鬼役でない参加者にタッチすることで鬼役のプレイヤーが変わるという共通認識があるから成り立つのであって、全員が鬼役だったらタッチする相手がいなくて、成り立たないのです。

ちょっと堅苦しい言い方になってしまいましたが、要約するとボードゲームとは……?

テーブル上でルールを守って遊ぶこと

と捉えて貰えると良いと思います。

ルールがあれば、ゲームじゃない!

先ほど、テーブル上でルールを守って遊ぶことがボードゲームと表現したことをさっそく真っ向から否定するタイトルですね(汗

実はちょっと不正確で、ルールでどうすれば終わりかなのかどうすれば勝ちなのかが決まってないとゲームとしては成立していません。

例えば、じゃんけんをするときに、負けた相手が「3本勝負な!」と後付けしてくる光景は見たことがないでしょうか?これは、どうすれば終わりなのかを明確にせず、暗黙の了解で1本勝負だと思っていたため起こるわけです。

また、花いちもんめという遊びを思い出してください。花いちもんめは相手チームから全員自分の側に引き入れることで終わりますが、勝者は誰なのでしょうか?どうすれば勝ちなのかが明確に決まっていない例で、結果、勝ち負けが無い遊びという事になります。

このように遊びのルールをしっかりと定義する事で、ゲームになるのです。参加者が何を目指して何をするべきかが分かっており、そのルールの中でいかに良い結果を出せるかを競うことがゲームの根本として必要になるのです。

定義などの堅苦しい話はこのくらいにして、次の項目から具体的なボードゲームの紹介に移りたいと思います。

ボードゲームにはどんなものがあるの?

ボードゲームは以下の2つに分けることができます。

パッケージが存在しないもの
パッケージ化されたもの

①のパッケージが存在しないものとは、「しりとり」「あっち向いてホイ」といった、ルールのみが伝わっているゲームの事を指します。こちらのゲームは歴史が長く、誰が考えたゲームなのかなど、分からない点が多いですが、皆さんも自然と知っているゲームも多いでしょう。

②のパッケージ化されたものとは、「トランプ」「将棋」といった、遊ぶためのものが存在するものになります。こちらは様々なものが存在し、現在でも毎年いくつもの新しいゲームが生み出されています。

約40年前の1979年に設立されたドイツ年間ゲーム大賞という賞が設立される以前より、ドイツを中心としたヨーロッパ諸国では、毎年多くの新たなゲームが作られていましたが、ドイツ年間ゲーム大賞の設立により、ボードゲームを作った人(ボードゲームデザイナー)にスポットが当たるようになりました。

今では日本国内でもゲームマーケットに代表される、ボードゲームの大型イベントが開催されており、世界的に活躍する日本人ボードゲームデザイナーも数多く誕生しています。

ここでは主に、②のパッケージ化されているものを中心として、ボードゲームを取り上げたいと思います。個別のボードゲームの紹介は、各コラム記事を参照して頂ければと思いますので、分類をメインに進めたいと思います。

カードゲーム

ボードゲームの中でも、(ほぼ)カードだけで成り立っているものを指します。有名な物では「トランプ」「花札」などです。カードがどの順番で出てくるかが決まっていないというランダム性を、運の要素として取り入れているものが多いです。

自分だけが配られたカードを手札として持つゲームである「トランプ」や全てのカードが公開されているようゲームである「カルタ」など様々ですが、カードのみで構成されているため、ルールが比較的簡単で、安価なものが大多数です。

最近流行しているボードゲームは、上記の理由でこの系統に分類されるゲームがほとんどです。遊ぶためにかかる時間(プレイ時間)は短いゲームなら5分程度から、長くても30分程度の物がほとんどです。価格は2,000円以下程度で、有名なゲームは100円均一ショップなどにもあります。

大きさも小さいので、持ち運びやすく、カバンに入れておいて外出先でゲームをすることも簡単にできます。

多くのカードゲームは、ゲーム開始時にはお互いが同じ状態からスタートして、ゲーム中に点数などを稼ぐことで勝ち負けを決める事を目的にします。カードゲームの中の分類にトレーディングカードゲーム(TCG)というものもありますが、こちらはゲーム前に自分で集めたカードを持ち寄って遊ぶため、同じ状態からスタートするものではありません。

ボードゲーム

ゲームボードなどの大きな内容物を含むゲームである「人生ゲーム」「将棋」などです。世界的に見ると、最古のゲームである「セネト」という2人用のすごろくゲームをはじめとして、多くのゲームはコチラに分類されます。

コチラに分類されているものが多すぎるせいで、ボードゲームという分類自体がテーブル上で遊ぶゲームの総称となっています。そのため、様々なものが一緒に存在しており、一概にボードゲームとはこんなものですと説明しづらいです(汗

後述のテーブルトークRPG(TRPG)やマーダーミステリーなど明確にジャンル分けされるものを除くテーブル上で行うゲーム全般がコチラに分類されると考えられ、人によってこの分類も様々の困ったジャンルです。

大多数のゲームは電源を必要としないことから、以前はテレビゲームと対比してアナログゲームと呼ばれていたこともありましたが、近年ではゲームを行うためにアプリをダウンロードして行うゲームなどもあり、多様化が進んでいます。

運の要素を全く含まないゲームやおもちゃのようなものなど全く違う側面を備えたものが一緒になっているので、ボードゲームの中で分類の細分化がもっと一般的になればみんな理解しやすいのになぁと感じています。

テーブルトークRPG(TRPG)

もともと、職業訓練や精神医学の臨床で行われていたロールプレイングをゲームにしたもので、正式にはテーブルトーク(T)ロール(R)プレイング(P)ゲーム(G)。様々な物語の主人公としてその物語の登場人物になりきり、その人物がどのような行動を取るかなど決めて遊ぶゲーム。

歴史的には「ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)」を源流とし、主に行動の選択をプレイヤーが行い、ダイスを振る事で行動の成否をゲームマスターという裁定役の人間が判定する。

ウォーシミュレーションゲーム

戦場をテーマにしたゲームで軍事従事者の訓練のために作られたシミュレーションをゲームにしたものが発祥。戦場における戦術を学習することに由来するので、様々な戦場で勝利することが目的のゲームなので、史実の戦場に基づいたものはもちろん、仮想世界の戦場をテーマにしているものもある。

派生形として、様々な立体的なコマ(ミニチュア)を用いたゲームも存在し、ミニチュアゲームなどと省略されることもある。両勢力が均等な条件のものよりも、勢力により条件が異なるものが一般的で、基本的なルールは同じものを採用していることが多い。

マーダーミステリー

近年中国で流行しだした新ジャンルで、影響を受けた日本国内でも新たな作品が次々に生み出されている。前述のTRPGと同じように物語のいち登場人物を1人のプレイヤーが演じる事は共通しているが、目的はそれぞれのプレイヤーに課せられた目標を達成するために起こった出来事の真相を探るゲーム。

殺人事件の犯人を突き止めるゲームなどが多いが、プレイヤーの中にはその犯人役の人間がおり、そのプレイヤーは自分が犯人であると突き止められないことが目的となるため、小説の世界の登場人物に成り代わったような体験をすることができる。